薬草ウマブドウの実を焼酎漬けや酢漬けにする場合の実の収穫時期

ウマブドウの実も少しづつ大きくなってきています。

早生のものや暖地のウマブドウは、間もなく収穫して焼酎漬けや

酢漬けにできる大きさになります。

ウマブドウは、実が大きくなるにつれ、緑→青→白と色を変えます。

収穫時期は、私の場合は、緑ですが、人によっては青や白い実を

漬ける方もおられます。

私は、今まで実の色で効用がどう違うか、書かれたり研究されたものを

読んだことはありません。

経験的に私の場合は「緑」の実を漬けているのです。

どれが効果が高いか、研究された方がおられましたら、教えていただきたいと思います。

今まで私が、緑の実を漬けてきた経過を書いてみました。

参考にしてください。

≪はじめに≫

 ウマブドウの焼酎漬けを作ろうとするときに、まずすることが、「ウマブドウの実を収穫する。」ことです。ここでまず悩むのが、「どの色の実を収穫したらよいのか?」ということではないでしょうか。

 このことを医学的・薬学的研究がされ、その理論的根拠をもとに、明確に写真入りで書いてある本や文献は現時点で、私の知る限りではありません。

 ウマブドウは古くから民間薬として使われてきた薬草であり、多くの人が試してみて、効果を確認しつつ普及してきたものだと思っています。今は、その情報を集積し、より効果的な利用方法を見つけ出す段階だと思っています。

 私は薬草ウマブドウを「自分で栽培して、お茶にしたり、実を採ったりして、利用すること」が「だれにでもできるようになって欲しい。」そういうことを目的にウマブドウのホームページやブログをつくっています。

 自分でウマブドウを植えて実がなるまでの1、2年は、実が欲しい人には実を販売しています。

 私のところで一番多く、販売しているのが苗です。自分で作れば、焼酎代だけで後の費用はかかりませんから。1升(1.8リットル)のウマブドウ酒が1000円程度でできます。

 ウマブドウは本来薬草であり、そこに住む人が経験的に利用してきたものです。そしていろいろな人が、いろいろなものをつくり、情報交換をして、自分や家族の健康に役立ててきたものです。

 その中に「馬ぶどう普及会」があり、昭和59年2月10日に「馬ぶどう普及会会報」第1号が発刊されました。その後、「薬草ウマブドウ」という本の発刊とともに普及会も昭和61年11月休会になりました。

 もし今後ウマブドウの研究がすすみ、抗がん剤や肝臓の薬などが開発されるようなことがあれば、それを利用すればよいのです。

 私のホームページやブログでは、自分で栽培して、自分で利用するための技術や注意点を発信しています。自分で作って、自分で利用する。だから今は、実の収穫時期も自由でいいのです。ウマブドウの薬学的な研究はまだほとんどすすんでいないと思っています。

 ただ、私が昭和58年から利用してきて言えるのは、ウマブドウという薬草は、根・茎・葉・果実・樹液などすべてに効果・効用が経験的に認められています。だから実の色についても、すべての段階に薬効があるのではないかと思っています。だから、私も緑の実や青い実、紫の実、白い実と欲しい人の希望の色の実を提供しています。

≪私が現在、収穫をしている実の色のもとになっている文献・根拠等≫

 私は、昭和58年(1983年) 現代農業11月号の「馬ブドウ(野ブドウ)で万病に効く家庭常備薬を」という記事を見てから、馬ぶどう普及会会長の磯常光氏、副会長の村上一郎氏、事務局長の村上昌久氏の指導のもとに、普及研究をしてきました。以下に、実の収穫時期の関する記事をご紹介してみたいと思います。

1. 昭和58年(1983年)「現代農業」11月号 農文協

記事名 「馬ブドウ(野ブドウ)で万病に効く家庭常備薬を」

内容  ……8月中旬から実の収穫時期になる。まだほとんどの実が青く、房の先端の実が紫

    に色づくころ、 房元から採集して、水洗いし、水切りする。……

2.昭和59年(1984年)「馬ぶどう普及会報 第3号」

記事名  「馬ぶどう栽培の手引き」磯常光

内容  ……私達が焼酎漬に用いる実の採集時期は、過熟ではないものを用いますが、実が紫に色づき始める頃を収穫適期として採集する事に努めています。適期は一度には揃いませんので3~5日に一度くらいは見廻って適期のものを収穫します。梅酒の場合は、未熟で毒素の多いものが使用されるように、馬ぶどうもやや未熟のものが薬用としては薬効も高いと云う判断からやや早めの実を用いている訳です。……

3.昭和60年(1985年)12月15日馬ぶどう普及会長野支部第2回研修会

長野県武石村にて開催 (主催 武石村老人クラブ)

長野県・山梨県から約50名参加

本部から会長の磯常光氏、副会長の村上一郎氏、事務局長の村上昌久氏が出席

内容  私は研修会にウマブドウの漬けたものを見てもらうために760ml入りの瓶に実

    と焼酎の入ったウマブドウ酒を持って行きました。

    そして『これでいいのですか?』と磯さんに見せると、

    磯さんは、漬けてある実を見て、「いいですね~。

    このようなやせた土地でできた小さな実は、薬効が強いんだ。」と言いました。

    この時のウマブドウの実は、私が自宅近くの河原の堤防で採ったものを漬けたものでした。

     これは余談ですが、研修会が始まると、私と磯さんの話を聞いていた前の席の人が

    後ろを向き、私に2千円を差し出し「譲ってくれ。」と言い、

    ひったくるように私からウマブドウを漬けた瓶を持っていかれました。

4.昭和61年(1986年)「薬草 ウマブドウ」磯常光・村上昌久著  リヨンブックス

記事名  「ウマブドウの実際的な使い方  ウマブドウの実の焼酎漬け」

内容  ……実は夏から秋にかけて採取し、充実した硬いものを選びます。……

5.磯さんにウマブドウの実を販売する。

 私のところは、野生のウマブドウが多いところで、磯さんから、「ウマブドウの実を売って

欲しい。」との連絡がきたことがありました。

平成5年8月30日に12.3Kg、平成6年7月21日に2Kg送りました。そのほかにも

磯さんの親せきの方数人にも実を送っています。その時も私が収穫して漬けている、「緑の実」

を送りましたが、実の色や収穫時期が違っているということも言われませんでした。

6.うまぶどう普及会会長 磯常光氏宅訪問

 私はかねてから不安に思っていることがあり、磯さんに直接会ってお聞きしたいと思い、

私の住む長野県中野市から栃木県大田原市佐久山まで父と出かけて行きました。

 私が不安だったのは、長期間、毎日ウマブドウを飲んでいて「副作用はないのか?」

ということです。磯さんは「(副作用は)ない。」といわれました。

 そして磯さんの栽培されているところを見せてもらい、いろいろお聞きして、

その日は近くのビジネスホテルに泊まり帰ってきました。

志賀高原―沼田―日光とかなり遠かった記憶があります。

 副作用の件は、私も昭和58年からほぼ毎日焼酎漬けを飲んでいますが、

問題ないと思います。

ウマブドウの茎を煎じたものは、私の子供も飲み、今では孫も飲んでいます。特に問題

はないようです。

≪考察・結論≫

 ウマブドウの実は、成熟すると緑~青~白と色を変える。青のところは複雑で紫にもなること

もある。木により、生えている場所により、緑と白は変わらないが「青」の部分は複雑に変わる。

よく収穫する時期は「白ではなく、青だよ。」と言う人がいる。この青という意味は「緑」の

実をさしていることもあり、実物を見て、教わらないと、収穫時期を間違えやすい。

もう一つは民間薬ということで、経験的に白や青い実を漬けられ、効果があった人が他の人に

すすめる場合である。私の近所でも、白い実を漬ける方もおられます。

 私が実を販売している方や会社でも、青や白を希望される方がおられ、

私は希望の色の実を送っています。

 かつての馬ぶどう普及会の磯さんや村上さんに確認したくても、亡くなられたり、廃業され

ていて今となっては、聞くことができません。

 私は、現時点では上記のことを踏まえ、ウマブドウの実を焼酎漬けにする実の色は「限りなく

青になる手前のもっとも充実した緑の実」を収穫しています。実は房ごと収穫するので、すべて

を同一のステージで収穫できません。

 とにかく自分で栽培してみてください。場所がなければ鉢植えでも実がなります。

色の変化を確認してください。苗を販売した状況から栽培は沖縄から北海道までできると思います。

青や紫の実を収穫しても、おいておくと翌朝には白くなっていることがあります。

だから青や紫の実を希望されても、青や紫だけを送ることは困難です。

もし緑以外の実を漬けられた方がおられましたら、体験談をお聞かせ下さい。

  

 ご質問等は、ウマブドウのホームページのメールでお願いします。

FAX・電話でもお気軽にお聞きください。連絡方法はホームページにあります。

最後におことわりをしておきますが、今回は誤解を招く恐れがありますので、

あえて写真は掲載してありません。